山町筋の賑わい   御馬出町 T
 旧北陸道の要所であった土蔵造りのある山町筋は、平成十二年十二月に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。これを記念として「歴史的遺産」の保持と地域の発展を願って、「まちづくり」を目標に山町筋活性化の2大イベントが企画・実施されております。
 昔から各家に伝わる文化を広く内外の人々に知ってもらおうと、1つは「天神様」もう1つは「ひなまつり」です。わたしの町内も胸を躍らせ参加しています。

「山町筋の天神様」
 各家や店舗では色んな天神様を公開します。集中展示場は、重要文化財の菅野家と旧室崎家の座敷です。 町じゅうが多くの見物客で賑わいます。 掛け軸の天神様には時代背景が色濃く描かれ、立派な髭や威厳のある姿は明治・大正・昭和初期の作品であり戦後の作品は優しい面差しが多いようです。木彫りや粘土に色付けした天神様、朱塗りのぼんぼり、うるしの三宝の鏡餅など、懐かしい思いです。

 「山町筋のひなまつり」
 三月の土日の2日間、各家々は“おひなさま町並みギャラリー“に変身します。
 大正・昭和・平成と祖母・母・娘三代のおひな様が飾られた座敷は、幼い頃を懐かしみ昔話に花を咲かせながら、感慨深く眺めいる人たちで賑わいます。
 和菓子の老舗のウインドウには、金屏風を背に大きなおひな様と砂糖菓子の美しい桃の花が飾られ、伝承されてきた職人の技は、人々の目をクギヅケにします。
 小馬出町の市・土蔵造りのまち資料館では、毎年お茶席が設けられ、由緒あるひな人形がたくさん飾られた座敷で、菓子職人が客の目の前で春のかおりのする和菓子を造り抹茶のお運びは、和服姿の男性が行います。和菓子と抹茶で訪れた人たちは一時の幸せに、笑顔をお土産にくださいます。